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1814:東京裁判判定 松井石根関係
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    第十章 判定 松井石根関係

     本裁判所は、被告松井を訴因第五十五について有罪、訴因第一、第二十七、第二十九、第三十一、第三十二、第三十五、第三十六及び第五十四について無罪と判定する。
     

     第1類 平和に対する罪

      訴因01 東アジア・太平洋等支配を目的とする侵略戦争の全般的共同謀議(1928年〜1945年)
      訴因27 1931年9月18日及至1945年9月2日の中華民国に対する侵略戦争の遂行(満州事変)
      訴因29 1941年12月7日及至1945年9月2日のアメリカ合衆国に対する侵略戦争の遂行
      訴因31 1941年12月7日及至1945年9月2日の英連邦諸国に対する侵略戦争の遂行
      訴因32 1941年12月7日及至1945年9月2日のオランダに対する侵略戦争の遂行
      訴因35 1938年夏のソ連に対する侵略戦争の遂行
      訴因36 1939年夏のソ連およびモンゴル人民共和国に対する侵略戦争の遂行

     第3類 通例の戦争犯罪および人道に対する罪

      訴因54 1931年9月18日以降における戦争法規慣例違反の命令・授権・許可
      訴因55 1931年9月18日以降における戦争法規慣例違反の防止義務の無視
        

    第三類 通例の戦争犯罪及び人道に対する罪 訴因54

     被告土肥原、畑、星野、板垣、賀屋、木戸、木村、小磯、武藤、永野、岡、大島、佐藤、重光、嶋田、鈴木、東郷、東条及梅津は千九百四十一年(昭和十六年)十二月七日より千九百四十五年(昭和二十年)九月二日に至る迄の期間に於て、訴因第五十三に於て述べたる者と同一の人々に同訴因中に於て述べたる違反行為を行ふことを命令し授権し且許可し以って戦争法規に違反せり。

     中華民国の場合に於ては該命令、授権及び許可は千九百三十一年(昭和六年)九月十八日に始まる期間に発せられたるものにして上記指名の者の外、下記被告も之に責任を有す。荒木、橋本、平沼、広田、松井、松岡、南

    第三類 通例の戦争犯罪及び人道に対する罪 訴因55

     被告土肥原、畑、星野、板垣、賀屋、木戸、木村、小磯、武藤、永野、岡、大島、佐藤、重光、嶋田、鈴木、東郷、東条及梅津は、千九百四十一年(昭和十六年)十二月七日より千九百四十五年(昭和二十年)九月二日に至る迄の期間に於て、夫々の官職に因り、「アメリカ」合衆国、全「イギリス」連邦、「フランス」共和国、「オランダ」王国、「フィリッピン」国、中華民国、「ポルトガル」共和国及び「ソビエット」社会主義共和国連邦の軍隊並びに当時日本の権力下に在りし此等諸国の数万の俘虜及びー般人に関し、上記条約及び保証並戦争の法規慣例の遵守を確保する責任有するところ、故意に又不注意に、其の遵守を確保し其の違背を防止する適当なる手段を執る可き法律上の義務を無視し、以て戦争法規に違反せり。

     中華民国の場合に於ては、該違反行為は千九百三十一年(昭和六年)九月十八日に始まり、上記指名の者の外、下記被告も之に責任を有す。 荒木、橋本、平沼、広田、松井、松岡、南 

     裁判長
     極東国際軍事裁判所は、本件の起訴状について有罪の判定を受けた被告に対して、裁判所条例第十五条チ号に従って、ここに刑を宣告する。
     ・・・
     被告 松井 石根
     被告が有罪の判定を受けた起訴状中の訴因に基いて、極東国際軍事裁判所は、被告を絞首刑に処する。
     

    第十章 判定 松井石根

     被告松井は、訴因第一、第二十七、第二十九、第三十一、第三十二、第三十五、第三十六、第五十四及び第五十五で訴追されている。

     松井は日本陸軍の高級将校であり、一九三三年に大将の階級に進んだ。かれは陸軍において広い経験をもっており、そのうちには、関東軍と参謀本部における勤務が含まれていた。共同謀議を考え出して、それを実行した者と緊密に連絡していたことからして、共同謀議者の目的と政策について、知っていたはずであるとも考えられるが、裁判所に提出された証拠は、かれが共同謀議者であったという認定を正当化するものではない。

     一九三七年と一九三八年の中国におけるかれの軍務は、それ自体としては、侵略戦争の遂行と見倣すことはできない。訴因第二十七について有罪と判定することを正当化するためには、検察側の義務として、松井がその戦争の犯罪的性質を知っていたという推論を正当化する証拠を提出しなければならなかった。このことは行われなかった。

     一九三五年に、松井は退役したが、一九三七年に、上海派遣軍を指揮するために、現役に復帰した。
     ついで、上海派遣軍と第十軍とを含む中支那方面軍司令官に任命された。これらの軍隊を率いて、かれは一九三七年十二月十三日に南京市を攻略した。

     南京が落ちる前に、中国軍は撤退し、占領されたのは無抵抗の都市であった。

     それに続いて起ったのは、無力の市民に対して、日本の陸軍が犯した最も恐ろしい残虐行為の長期にわたる連続であった。日本軍人によって、大量の虐殺、個人に対する殺害、強姦、掠奪及び放火が行われた。

     残虐行為が広く行われたことは、日本人証人によって否定されたが、いろいろな国籍の、また疑いのない、信憑性のある中立的証人の反対の証言は、圧倒的に有力である。この犯罪の修羅の騒ぎは、一九三七年十二月十三日に、この都市が占拠されたときに始まり、一九三八年二月の初めまでやまなかった。

     この六、七週間の期間において、何千という婦人が強姦され、十万以上の人々が殺害され、無数の財産が盗まれたり、焼かれたりした。

     これらの恐ろしい出来事が最高潮にあったときに、すなわち十二月十七日に、松井は同市に入城し、五日ないし七日の間滞在した。自分自身の観察と幕僚の報告とによって、かれはどのようなことが起っていたかを知っていたはずである。憲兵隊と領事館員から、自分の軍隊の非行がある程度あったと聞いたことをかれは認めている。

     南京における日本の外交代表者に対して、これらの残虐行為に関する日々の報告が提出され、かれらはこれを東京に報告した。

     本裁判所は、何が起っていたかを松井が知っていたという充分な証拠があると認める。

     これらの恐ろしい出来事を緩和するために、かれは何もしなかったか、何かしたにしても、効果のあることは何もしなかった。同市の占領の前に、かれは自分の軍隊に対して、行動を厳正にせよという命令を確かに出し、その後さらに同じ趣旨の命令を出した。現在わかっているように、またかれが知っていたはずであるように、これらの命令はなんの効果もなかった。

     かれのために、当時かれは病気であったということが申し立てられた。かれの病気は、かれの指揮下の作戦行動を指導できないというほどのものでもなく、またこれらの残虐行為が起っている聞に、何回も同市を訪問できないというほどのものでもなかった。これらの出来事に対して責任を有する軍隊を、かれは指揮していた。これらの出来事をかれは知っていた。

     かれは自分の軍隊を統制し、南京の不幸な市民を保護する義務をもっていたとともに、その権限をももっていた。この義務の履行を怠ったことについて、かれは犯罪的責任があると認めなければならない。

        
     上記、東京裁判判決文を見れば、松井大将は侵略共同謀議(01)・中国侵略(27)・米国侵略(29)・英国侵略(31)・蘭国侵略(32)・ソ連侵略35/36)・通例戦争犯罪(54)・通例戦争犯罪不作為責任(55)で訴追されている。
     しかし、判決は、訴因55の通例戦争犯罪不作為責任以外の訴因は、中国侵略を含めて、全て無罪になっている。
     
     上海戦から南京攻略戦を指揮した松井大将が、この戦争行為を無罪と判決されている以上、その戦争行為は中国側の対日先制侵略戦争により開始されたもので、日本軍による中国侵略は認定されなかったということである。
     他の将軍が中国侵略有罪になっているからといって、日中戦争の始点となった戦争行為が侵略無罪になっている事実は判決で確定している。これは、日本の先制侵略により開始され米国侵略戦争に応戦した米国が、その後継続された戦争行為について、米国による日本侵略とは言わない事からも明らかである。
     
     この上海・南京戦争を、米国は「日本による中国侵略」と国際宣伝して、日本を経済封鎖すると共に中国に軍事経済支援して、日中戦争の終結交渉を妨害して、日本が米国の援蒋ルートを閉鎖するために仏国と条約に基づき合法的に進駐した行為まで侵略と糾弾し、更なる経済封鎖により日本を戦争に引き摺り込んだ。

     南京虐殺事件は、中国侵略が無罪認定されたための引き換えである点については、別稿で述べる。

    【2015.03.08 Sunday 17:41】 author :
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      【2018.08.10 Friday 17:41】 author : スポンサードリンク
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