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1233:戦犯裁判:オランダ管轄:モロタイ裁判:第2号法廷/トベロ地区憲兵隊ゲリラ処刑事件・イブ事件
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    戦犯裁判オランダ管轄モロタイ裁判

     

    :第2号法廷/トベロ地区憲兵隊ゲリラ処刑事件・イブ事件

     

    起訴理由概要:ハルマヘラ島トベロ地区所属憲兵隊員である被告等は、ヂャイロロへ犯罪捜査のため派遣せられし間、被疑者に対して為したる戦犯行為により起訴せらる横山の分、1、アラマッドなる者を起訴手続きもなく斬首
    2、支那人チェンガなる者を拷問
    3、インドネシア人ヤニンなる者を拷問し致死せしむ。
    鈴木の分は、前述23を横山と共犯せり。

     

    八野戦憲兵隊トベロ地区隊・横山春芳憲兵曹長・長崎:47/7求刑死刑>47/8/7(8/1)判決死刑>49/10/1銃殺:弁護扇正宏
    ・鈴木康雄憲兵軍曹・山形:死刑>15年

    一般解説:連合軍の反攻を控え、人口が多かったトベロ地区ではゲリラによる破壊工作やスパイ行為が頻発し、日本軍は捜査摘発に忙殺される事となった。
     ここでも「正式の裁判に付すことなく」が出てくるが、ゲリラ処刑自体ではオランダ軍も起訴出来ず、処刑手続き上の瑕疵のみで報復したという事である。
     この斬首処刑事件がイブ事件といわれたものであるが、横山春芳憲兵曹長の遺書によれば、実行犯は吉田大尉ら4名である。
     単に、オランダ軍が誤認逮捕・起訴したのではなく、横山憲兵曹長に、明らかに吉田大尉によって陥れられたという心証があったのだろう。
     
     「取り調べにあたって拷問を加えインドネシア人1名を死に至らしめた。」という訴因は、事実であれば被告両名が死刑になる筈が、本件・鈴木泰雄憲兵軍曹のように有期刑で済んだ場合は、まず冤罪か、次に横山曹長が庇ったのかもしれない。
    遺書
     生への一途の望も切断せられ、今日昭和22年9月29日午前8時死刑執行の宣告を受く。
     噫々何たる神仏のいたづらなるか。
     明後日10月1日午前8時南国の小島モロタイ島ギラ岬日本人刑場に於て蘭軍の不法裁判に依り刑の銃火に処せられる。
     顧れば此の世に生を置き32年実に難儀な生命を終ゆ。
     然し後40時間の生命に只思ひは遠く母国の空、夫の帰りを待ち侘びる母子の身の上、この事を考へると実に--
     何卒この事情を知ったとて決して力を落さず、賢二の養育に専念せられよ。
     若きますらをの妻の行末に何卒多幸あること、必ず草葉の蔭より神かけて念じて居ります。
     何卒無常の嵐に負けぬ様。
     兄弟四人戦地に送った父の身心、それが三人迄他界し後の忠義とても未だ生死不明の事ならん、父の年を考へると実に不孝のみの三十二年間、申訳する術もなし。
     只最後に貴方と賢二に一言遺したい事は、父は決して不実なる罪を犯せしに非ず、一天万乗の大君の為、戦勝に導かんが為、我が身を顧ず敵前に身を晒し、敵諜者の索出に任じたる事が、斯の如き敗戦の結果罪人とせらる。
     又吉田大尉以下四名の実行せる事件も自分に関係なきも責任を負はされたり。
     実に裁判の不法なるを恨む。
     而して今更哀しんだとて何にならう。
     此の上は堂々日本武人の最後を彼等毛唐に見せるのみなり。
     決して女々しき最後は遂げない故御安心下さい。
     賢二は父無きあと嘸肩身狭き思いをすることであろう。
     その点よく指導して下さい。
     モロタイ島上陸以来、実に苦労のみでした。
     最後は斯の如き始末不幸な運命の人間、後一日を如何にして送らうかとそれのみに苦悶して居ります。
     最後に卑怯な行動に依り帰還せる吉田大尉に対し、貴女より夫はイブ事件を負はされ消え果る旨知らせて下さい。
      身は明日の死刑に就くとは知りつつも
         祖国の空のなほぞ恋しき
    【2012.11.13 Tuesday 05:29】 author :
    | B級裁判 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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      【2019.04.06 Saturday 05:29】 author : スポンサードリンク
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